2棟目・3棟目の壁|現金が枯れずに買い進める設計
セミナー後アンケートで意外に多いのが「1棟目は買えたのに、その先で止まる」という声です。 「1棟目で現金がなくなった」「3棟目で融資が通らない」「みんなどう買い進めているのか」—— 拡大期特有のこの壁を、運営メンバーの経験から一般論として整理します。
1. なぜ2棟目・3棟目で止まるのか
止まる理由はだいたい次の3つに集約されます。
- 現金の再充填が追いつかない:1棟ごとに自己資金・諸費用が出ていき、戻る前に次へ行こうとして枯れる。
- 与信の頭打ち:既存借入が積み上がり、次の融資が通りにくくなる局面が来る。
- 決算の見え方:数字の整え方次第で「次が出せる事業」に見えるかが変わる(→ 決算書の話は別コラム参照)。
2. 現金が枯れない買い方の設計
拡大の失敗の多くは「買えるから買う」で起きます。買う前に 「次の自己資金が戻るまでの時間」を必ず織り込むのが基本です。
- 1棟ごとに、修繕・空室・突発費の予備を残す。手元ゼロまで使い切らない。
- 無理なフルローン依存は、返済と現金繰りの両方を細くする。レバレッジは“効かせすぎない”。
- 「いつ・いくら戻るか」が見えない買い増しはしない。速度より生存。
3. 与信を伸ばす
与信は一度きりではなく育てるものです。実績を一段ずつ積み、複数の金融機関と関係を持ち、 「次も付き合える相手」と認識される。融資の話と決算書の整えは表裏一体です (詳しくは 新潟で融資を引く・ 融資が引ける決算書 を参照)。
4. 拡大ペースの考え方
伸びている人ほど「止まる勇気」を持っています。1棟ごとに学びを回収し、現金と与信が回復してから次へ。 焦って数を増やすより、“続けられる速度”でしか結局は続かない——これが拡大期の現実解です。
要点は「買えるか」ではなく「買っても枯れないか」で判断する。
現金が戻る時間を織り込み、与信を育て、続く速度で進む。これが2棟目・3棟目の壁の越え方です。
本コラムは新潟大家の会の運営メンバーの経験に基づく一般的な情報提供であり、特定の投資手法・融資条件を推奨するものではありません。
融資・税務・法人化の判断は、必ずご自身の状況に即して各金融機関および専門家にご相談のうえ、自己責任で行ってください。